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【内縁の妻や同性のパートナーは特別寄与者になれません】

更新日:2021年11月28日


配偶者居住権など単語の雰囲気で、思い込みによる間違った解釈が独り歩きしています。

特別寄与者もその一つです。


まず、寄与者についてですが、民法904条の2の1項に下記のように書かれています。


共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。


すなわち、寄与者は相続者という身分の者ではなくてはいけません。

(相続と遺贈は全く違うものという事に注意)


では特別寄与者というと、民法1050条の1項において、


被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第891条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。


と書かれており、相続者の親族となっております。すなわち、被相続者の子供の配偶者などです。

という事は、婚姻をしていない内縁の妻や同性のパートナーは、突然の不慮の事故などが起こった場合、

自動的に相続者にもなれないし、特別寄与者にもなれないのです。


では、特別縁故者ではどうかというと、民法958条の2の1項において、


前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。


と書かれております。という事は、内縁の妻や同性のパートナーはこれに該当することが可能となります。

しかしここで問題があり、「清算後残存すべき相続財産」と書かれていることです。

という事は、相続人が全部財産を持っていった場合は、もらう財産はゼロという事です。

ただし、相続人全員が相続を拒否した場合はこの限りではないですが、現実的にはないでしょう。


では、どうしたら内縁の妻や同性のパートナーに財産を残せるかというと、遺贈しかないです。すなわち遺言書の作成です。

ただし、記入方法にミスがあった場合などでは、無効となりますので、自筆遺言ではなく、公正証書にて作成されたほうが

良策です。

費用は掛かりますが、元裁判官などである公証人がミスがないかチェックしてくれますし、

自筆遺言と違い家庭裁判所での検認も不要です。


自動的に贈与になることはほぼ不可能ですので、内縁の妻や同性のパートナーに財産を譲りたい方は、早めに動いた方が良いでしょう。















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